レポート

福武ハウス アジア・アート・プラットフォーム2014

小豆島の1つの集落を通してアジア諸地域がつながるプロジェクトとして2014年は、昨年同様、旧・小豆島町立福田小学校を再生した「福武ハウス」、同体育館を利用した「福田アジア食堂」と、そして、本年は新たに「福田 家プロジェクト」がスタート。これら3つのプロジェクトを中心に、現代美術作品の展示、福田とアジアの食や、福田の石文化、アジア各地の生活文化を通した交流、さらにはアジアや福田の魅力を体験するプログラムを展開した。


福武ハウス(旧校舎)

福武ハウスアジア現代美術展

HOME TOWNS

タイを代表する現代美術アーティストナウィン・ラワンチャイクンは大衆的な視覚表現を使い、社会と美術をつなぐコミュニティプロジェクトを行っています。本展ではチェンマイと福岡という、作家の2つの「ホームタウン」をテーマとした過去の作品を再構成して展示します。アジアの地域間直接交流のプラットフォームである福武ハウスにおいて、「地元」を見つめ直し、私たちはどこから来て、どこに生きているのかを再考する

展覧会概要
会期:夏|2013年7月19日(土)~8月31日(日)
秋|2013年9月6日(土)~11月3日(月・祝)
※会期中無休
鑑賞料金:¥500(15歳以下無料)
協力:ナヴィン・プロダクション
ジムトンプソンアートセンター

第1室:チェンマイルーム
第1室:チェンマイルーム

第1室:チェンマイルーム

作品タイトル(制作年):「Asking for Nothingness」(1996)、「Hong Rub Khaek」(2008)

第2室:福岡ルーム
第2室:福岡ルーム

第2室:福岡ルーム

作品タイトル(制作年):「Hakata Drive-in project」(1998)「Murozumi Page」(1996-98)

ナウィン・ラワンチャイクン(タイ)

アーティスト|ナウィン・ラワンチャイクン(タイ)

作家紹介:タイ、チェンマイ生まれ。現在チェンマイと福岡で活動する。彫刻、絵画、パフォーマンス、写真、フィルムなど、様々なメディアで作品制作を行う。美術館から飛び出し、町に生きる人々と美術が直接出会うような作品を通して、社会における美術のあり方を問いかける。

パートナー組織活動紹介展示

パートナー組織活動紹介展示
パートナー組織活動紹介展示
パートナー組織活動紹介展示

パートナー組織|台湾歴史資源経理学会/台湾

台湾ならびに国際社会において都市部の住民が近隣地区や地域社会とのつながりをさらに深めることに最大の関心を持って活動を展開しています。学会では、地元社会の記憶と独自性を大切にしていく活動を通じて、多様性と人間性を重んじる相互尊重の心を促すことでアジア独自の文化を尊ぶことに貢献できると考えています。

福田地域文化紹介展示

福田地域文化紹介展示
福田地域文化紹介展示
福田地域文化紹介展示

福田地域文化紹介展示

「未来に伝える石の文化-福田にのこる記憶から-」
石材業とともに歩んだ福田の文化を未来へ伝えていく、その手段の一つとして、福田の人々の記憶をもとに「知識」、「技術」、「モノ」、「景観」など石の文化をテーマとした展示を行った。ノスタルジーに浸りつつ、石の文化や福田の歴史に触れる。

展示制作:小豆島町


福田家プロジェクト

福田「家プロジェクト」とは、旧校舎の活動拠点から集落へと一歩足を広げ、地域への理解を深めていく試みです。

きょく
きょく

現在作品となっている旧福田郵便局は、人々の記憶の風景が詰まった建物です。かつて、福田地区が外から情報を取り入れた場所であり、小豆島と外の世界とをつなぐ窓口でもありました。近年はひっそりとしていたこの旧郵便局と福田地区において、記憶を再現しながら人と地域の間の気持ちをつないでいきたいという思いから構想されました。

福田地域文化紹介展示
福田地域文化紹介展示
福田地域文化紹介展示

作品タイトル|記憶の風景 -Kyoku
アーティスト|徐佳伶 / 陳宣誠

共同制作:台湾歴史資源経理学会


福田アジア食堂

アジア各地域と地元住民、そして来訪者を、食を通じてつなぐ場として2014年も食堂をオープン。パートナー組織が推薦するシェフから学んだ様々なレシピの中から、今年は台湾の料理を中心に、福田の料理とともに提供します

福田アジア食堂
福田アジア食堂
福田アジア食堂
福田アジア食堂


葺田パヴィリオン

葺田パヴィリオン

設計主旨|西沢立衛

小豆島・福田小学校体育館隣の神社境内に計画されたパヴィリオンである。構成としては、カーブした二枚の鋼板が重なり合って、端部が互いに溶接されることで、お互いにお互いを拘束し合って形が成り立つ、というものだ。床の鋼板は屋根鋼板の存在によって開いてゆくのが抑えられ、屋根鋼板の方は床鋼板によって支えられつつ、真ん中でたわむ。二枚の鋼板の間に生まれた空間が客席でもあり、境内へと繋がる子どもの遊び場でもある。恒久建築だが、基礎はなく、そのまま持って来て置いただけというような、簡素な配置となっている。


イベント

アートや文化を通じてアジア、台湾、福田地区への理解を深めることを目的にイベントを開催。
主催|福武ハウス
助成|Art Setouchi

福田アジアンバザール

福田アジアンバザール
福田アジアンバザール
福田アジアンバザール

島内外からアジア飲食店による屋台村、農産品販売、フリーマーケットなどが集まる賑やかなバザールが福田に出現。石加工品など福田文化を知るお店や、アジア音楽演奏など、アジア色たっぷりの雰囲気を演出。

日時|9月14日(日)10:00~15:00
場所|福武ハウス 周辺
来場者約|2000人

アジア・アート・フォーラム2014

アジア・アート・フォーラム2014

アートにフォーカスしたディスカッションを開催。アジアのアート事情を考察するアジア・アート・フォーラム。2014年は福田「家プロジェクト」きょくに参加した台湾歴史資源経理学会の台湾内外での活動紹介を通じて、台湾における地域とアートの関係を探ります。さらに、大地の芸術祭や瀬戸内国際芸術祭を例に、地域に根づく芸術祭として2013にスタートした台湾の「桃園地景芸術節」からもパネリストを迎え、台湾における最新の取り組みについて紹介。

タイトル|「台湾におけるアート事情」コミュニティー参加型の地域プロジェクト

進行:北川フラム
・ヤールー・チャン (桃園地景芸術節プロジェクトマネージャー、桃園県文化部)
2013年に開催された桃園地景芸術節を実現するための目的や計画の過程、さらに地域の参加に関する事例を紹介
・イーグイ・ジャン(Shinwu Healthy Community Associationディレクター)
台湾桃園県のShinwuという地域の紹介とそのコミュニティーがいかに桃園地景芸術節とかかわり、あらためてコミュニティーの歴史や伝統について見つめ直す機会となった事例を紹介
・アリス・キュー(台湾歴史資源経理学会事務局長)
台北市内での歴史的建造物保存や、アジアでのまちづくり、ネットワークづくりの取り組みなどを紹介

日時|10月18日(土)13:00~15:00
場所|福武ハウス 体育館
来場者約|約70人

福武ハウスの感謝祭

福武ハウスの感謝祭
福武ハウスの感謝祭
福武ハウスの感謝祭

福武ハウス―アジア・アート・プラットフォーム2014のフィナーレ。
台湾をはじめとする中華圏で人気の獅子舞・舞踊などの芸能と、小豆島に唯一の奉納獅子舞として伝承されている福田地区の獅子舞を披露。アジアでも、福田でも、地元の人々に親しまれている豊かな民俗・伝統芸能を体感しながら、祝祭ムードを盛り上げた。

出演

・ジャワガムラン 演舞 / ランバンサリ
東京を拠点としたジャワガムランの演奏楽団。1973年に東京芸大の民族音楽学の実習として授業が始まり、ガムランの魅力に感じた有志が学内でクラブをつくり、「ランバンサリ」と名づけた。1985年に芸大から離れ、2015年でちょうど結成30年。ガムランの演奏、踊り、影絵芝居など多様なプログラムを持つ。

福田の獅子舞 演舞 / 岡、尾崎、浜の3地区
小豆島では唯一、福田地区に伝わる奉納獅子舞。毎年、秋の例大祭に合わせて奉納される地区内の3集落の獅子舞はそれぞれ各集落の高校生等の若手が担当。各集落別々の物語を持った演舞は福田の住民によって伝承されてきている。お囃子に合わせた抒情的な舞は必見。

日時|11月3日(月・祝)15:00~17:00
場所|福武ハウス 周辺
来場者約|約200人


事業概要

名称 福武ハウス-アジア・アート・プラットフォーム2014
開催期間 夏:2014 年 7 月 20 日(土)~9 月 1 日(日) 44 日間
秋:2014 年 10 月 5 日(土)~11 月 4 日(月・休) 30 日間
合計74日間
時間 11:00~17:00
会場 香川県小豆郡小豆島町福田甲718-1
旧小豆島町立福田小学校 校舎、体育館、葺田八幡神社境内(一部)
テーマ 私たちはグローバル化にどのように立ち向かうのか
主催 公益財団法人 福武財団 / 小豆島町 / 福田地区自治連合会
ディレクター 北川フラム(瀬戸内国際芸術祭総合ディレクター)
運営 福田地区自治連合会
葺田パヴィリオン設計 西沢立衛